
「最近、呼吸が浅くなった気がする」「腰が疲れやすい」そんな不調、実は“肋骨の動き”が関係しているかもしれません。
今回は、肋骨の役割や腰痛との関係、そして簡単にできるストレッチをご紹介します。
■ 肋骨が硬いとは?
「肋骨が硬い」と聞くと、骨自体が固まっているような印象を受けますが、そうではありません。
肋骨は、肺や心臓など大切な臓器を守るように、かご状に並んだ骨の集まりです。
その一つひとつの肋骨がスムーズに開いたり閉じたりすることが、正常な状態といえます。
この動きを支えているのが「肋間筋(ろっかんきん)」という筋肉です。
肋間筋は、肋骨の間にある筋肉で、肋骨の動きを助けるだけでなく、呼吸の深さにも大きく関わっています。
■ 肋骨と腰痛の意外な関係
あまり知られていませんが、肋骨の動きと腰痛には密接な関係があります。
肋骨は背骨(特に胸椎)とつながっており、両者は連動して動いています。
ところが、肋骨が硬くなって胸椎の動きが悪くなると、その代わりに腰(腰椎)が過剰に動くことに…。
その結果、腰の筋肉や関節に負担がかかり、腰痛を引き起こしやすくなってしまうのです。
さらに、背骨まわりの筋肉がこり固まると、血流も悪くなり、慢性的な腰の重だるさへとつながっていきます。
■ 呼吸で肋骨をほぐす!「バンザイ呼吸ストレッチ」
肋骨をやわらかく保つには、無理に動かすのではなく、「呼吸の力」を活かすのが効果的です。
ここでは、肋骨の動きを自然に引き出すストレッチをご紹介します。
【バンザイ呼吸ストレッチのやり方】
- イスや床に座るか、立った状態で行います。背筋は軽く伸ばしてリラックス。
- 両手を頭の上にあげて“バンザイ”のポーズをとりましょう。
→ 肘は軽く伸ばし、肩が上がりすぎないように注意します。 - 鼻から大きく息を吸い、胸と肋骨をふくらませるように呼吸。
→ 肋骨が前・横・上に広がるイメージを持ちましょう。 - 次に、口からゆっくりと息を吐きながら、肋骨が内側に閉じていくのを感じます。
- この呼吸を、ゆっくり5〜10回 × 1〜2セット行いましょう。
【ポイント】
- 肩や首に力が入らないよう、リラックスして行う
- 吸うときには「肋骨が広がる」、吐くときには「閉じる」感覚を意識
- 呼吸の質に意識を向けると、ストレッチ効果がさらにアップ!
■ こんな方におすすめです
- 呼吸が浅いと感じる
- 姿勢が悪いと指摘されることがある
- 慢性的な腰痛に悩んでいる
- 背中や肋骨まわりが硬いと感じる
深呼吸を通じて肋骨がスムーズに動くようになると、姿勢も整い、腰への負担がぐっと軽くなります。
肋骨は、単に呼吸のための骨ではなく、姿勢や腰痛にも深く関わる大切な部位です。
毎日たった数分、深い呼吸とともに肋骨を動かしてあげるだけで、体のバランスが変わってきます。「最近、呼吸が浅くなってきたな…」と感じる方は、今日からぜひ「バンザイ呼吸ストレッチ」を始めてみてください。