
日々の生活のなかで、ふとした瞬間に「なんだか腰が重いなぁ」「立ち上がるときに腰がツラい…」と感じること、ありませんか?
そんなとき、多くの方は腰そのものを揉んだり、ストレッチしたりして対処しようとしますよね。
もちろん、それも間違いではありません。でも、実は腰のつらさの原因が“腰以外の場所”にあることも少なくないんです。
そのひとつが、「お尻の奥にある筋肉」のこりです。
お尻の奥にある小さな筋肉「梨状筋(りじょうきん)」とは?
腰の重だるさや違和感の原因として注目したいのが、**梨状筋(りじょうきん)**という筋肉です。
梨状筋は、お尻の深いところにある小さな筋肉で、骨盤の内側から太ももの骨(大腿骨)につながっています。
普段あまり意識することのない筋肉ですが、実は、脚を外側にひねったり、股関節を安定させたりといった大事な働きをしています。
長時間座りっぱなしの姿勢が続いたり、同じ姿勢で体が固まりやすい方は、この梨状筋が知らず知らずのうちにこわばっていることがあるのです。
腰の不調=腰が悪いとは限らない
「座っていただけなのに腰が重い…」
「立ち上がるときに腰まわりがこわばってツラい…」
そんな感覚がある方は、もしかしたら腰そのものではなく、梨状筋が硬くなっていることが原因かもしれません。
さらに、梨状筋のすぐ近くには坐骨神経が通っているため、筋肉の緊張が強くなると、まれにお尻や脚にかけてしびれや痛みを感じるケースも(これを「梨状筋症候群」と呼びます)。
※ただし、しびれの原因にはさまざまなものがあるため、症状が強く出る場合や長引くときは、必ず医師に相談してください。
腰がツラいときこそ、お尻のケアを
腰に違和感があると、どうしても「腰をどうにかしなきゃ」と思ってしまいます。
でも、無理に腰を反らせたり、強く揉んだりするのは逆効果になることもあります。
そんなときこそ、お尻の奥をやさしくゆるめてみることをおすすめします。
すると、腰まわりの重さやこわばりがふっと軽く感じられるかもしれません。
寝たままできる!やさしいお尻ストレッチ
ここで、体が硬い方でも取り組みやすい「寝たままできるお尻ストレッチ」をひとつご紹介します。
夜寝る前や、ソファでゆっくりしているときにも気軽にできます。
仰向けの梨状筋ストレッチ
- 仰向けに寝ます
- 右足を左足の太ももにのせる(脚を組むような形)
- 左足を軽く持ち上げ、両手で左ももの裏側を抱えます
- お尻がじんわり伸びる位置で30秒キープ
- 息を止めず、自然な呼吸を意識して
- 反対側も同様に行いましょう
※痛みが強いときや、足がしびれる場合は無理をしないようにしてください。
腰が重い、こわばる、そんな不調は、必ずしも「腰が原因」ではないこともあります。
お尻の奥にある梨状筋をやさしくゆるめてあげるだけで、思った以上に体が軽く感じることもあります。
ぜひ今日から、腰まわりが疲れたときの新しい習慣として、**「お尻をゆるめるケア」**を取り入れてみてください。