
もしかすると、その眠りの浅さは“肩こり”が関係しているかもしれません
「布団に入ってもなかなか寝つけない」
「夜中に何度も目が覚めてしまう」
「朝起きても、疲れが取れていない」
そんな睡眠の悩みを抱えている方は、もしかすると“肩こり”が関係しているかもしれません。
意外に思われるかもしれませんが、肩こりと睡眠の質は密接に関係しているのです。
肩こりは、誰にとっても他人事ではない症状です
厚生労働省の調査によると、「肩こり」は日本人の自覚症状ランキングで常に上位に入っており、特に女性では1位や2位を占めることも珍しくありません。
年代別では30代を境にぐっと増え、40代・50代と年齢が上がるにつれてさらに増加する傾向が見られます。
肩こりがあると、ただ肩や首まわりが痛い・重だるいと感じるだけでなく、
頭痛・吐き気・目の疲れなど、さまざまな不調にもつながりやすく、実際に来院される方の中でも非常に多い訴えです。
肩こりが睡眠の質を下げてしまう理由
肩がこっているということは、肩まわりの筋肉が緊張している状態です。
この筋肉の緊張は、自律神経のうち「交感神経」を優位にさせる作用があります。
本来、夜になると私たちの体はリラックス状態をつくる「副交感神経」が優位になり、自然と眠りに向かう準備を始めます。
ところが、肩や首の筋肉がガチガチに緊張していると、交感神経の働きが強くなり、寝つきが悪くなる・眠りが浅くなる・夜中に何度も目が覚めるなどの症状が起きやすくなってしまうのです。
睡眠に影響する代表的な筋肉「僧帽筋(そうぼうきん)」
肩こりと深く関係している筋肉のひとつが「僧帽筋(そうぼうきん)」です。
この筋肉は、首の付け根から肩、背中の上部まで広がる大きな筋肉で、
パソコン作業やスマートフォンを見る時間が長い人は、ここが凝り固まりやすくなります。
この僧帽筋が緊張すると、肩こりだけでなく、血流の悪化・頭痛・不眠などのトラブルを引き起こしやすくなります。
寝る前におすすめのストレッチ:首~肩まわりの緊張をやさしくほぐす
夜の過ごし方ひとつで、睡眠の質は変わってきます。
肩こりを軽減し、眠りを深めるための簡単なストレッチを、寝る前に取り入れてみませんか?
【僧帽筋ストレッチのやり方】
- 椅子または床に座って、背筋をのばします
- 右手を頭の左側に当て、ゆっくり右に倒します(首の左側が伸びているのを感じる)
- そのまま20〜30秒キープ
- ゆっくり戻し、反対側も同じように行います
ポイントは、深く呼吸をしながら、反動をつけずにじんわり伸ばすことです。
無理なく、気持ちいいと感じる範囲で行いましょう。
緊張をほぐして、眠りの質を少しずつ整える
ストレッチによって肩まわりの筋肉がゆるむと、自律神経のバランスも整いやすくなります。
寝る前の数分間、体と心をほぐす時間を持つことで、自然とリラックスしやすくなり、
「最近よく眠れていないな…」という方にとって、大きな一歩になるかもしれません。