
「以前より深くしゃがめなくなった」
「靴下を履くとき、股関節が詰まるように感じる」
「立ち上がるときに腰がつらい」
「腰を伸ばしても、なかなかスッキリしない……」
年齢とともに、このような変化を感じる方が増えてきます。
腰がつらいと、どうしても「腰に原因がある」と考えて、腰まわりを伸ばしたり、揉んだりしたくなります。
しかし、腰の動きは腰だけで決まるものではありません。
実は、股関節の動きが小さくなることで、腰に負担がかかりやすくなることがあります。
今回は、腰のつらさを感じている方にも取り入れてほしい、股関節をやさしく動かす簡単なストレッチをご紹介します。
股関節が硬くなると、なぜ腰がつらくなるの?
股関節は、骨盤と太ももの骨(大腿骨)をつないでいる大きな関節です。
歩く、立つ、座る、しゃがむ、階段を上るなど、私たちの日常動作のほとんどに関わっています。
ところが、
・長時間座っていることが多い
・運動する機会が減った
・歩く距離が以前より短くなった
・同じ姿勢で過ごすことが多い
このような生活が続くと、股関節を大きく動かす機会が少なくなります。
すると、股関節まわりの筋肉がこわばり、股関節本来の動きが出しにくくなることがあります。
例えば、しゃがむ動作では、股関節をしっかり曲げる「屈曲」という動きが必要です。
ところが股関節が十分に動かないと、身体はその動きを別の場所で補おうとします。
その結果、腰や膝などに余分な負担がかかり、腰の張りや痛み、動かしにくさにつながることがあります。
もちろん、腰痛にはさまざまな原因があり、すべての腰痛が股関節から起こるわけではありません。
だからこそ、腰だけを見るのではなく、股関節がスムーズに動いているかを確認することも大切です。
腰痛がある方こそ「伸ばす」だけでなく「動かす」
「股関節が硬いから、もっとストレッチをしなければ……」
そう考えて、開脚や強いストレッチを頑張ってしまう方もいます。
しかし、股関節の動きやすさを保つためには、筋肉を伸ばすだけでなく、実際の動きに近い形で股関節を動かすことも大切です。
特に「しゃがみにくい」「腰を曲げるとつらい」という方は、股関節を曲げる動きを無理のない範囲で練習してみましょう。
そこでおすすめなのが、四つ這いから行う「お尻ゆらし」です。
お尻を左右にゆらすだけ!股関節を動かす簡単ストレッチ
このストレッチは、四つ這いの姿勢からお尻を左右斜め後ろへ動かしていきます。
強く伸ばすのではなく、「股関節が気持ちよく動いている」と感じる範囲で行うことがポイントです。
<やり方>
① 四つ這いになります
両手を肩幅程度、膝を腰幅程度に開きます。
背中や腰に力を入れすぎず、自然な姿勢をとりましょう。
② お尻を左後ろへゆっくり動かします
息をゆっくり吐きながら、股関節を曲げるようにして、お尻を左斜め後ろへスライドさせます。
できる方は、左のお尻を左かかとに近づけるようなイメージです。
ただし、お尻をかかとまで下げる必要はありません。
腰や股関節に痛みが出ない範囲で、気持ちよく動かしましょう。
③ ゆっくり中央へ戻ります
息を吸いながら、四つ這いの中央へ戻ります。
このとき、腰を反らしすぎず、身体全体を滑らかに動かします。
④ 今度は右後ろへ動かします
息を吐きながら、お尻を右斜め後ろへスライドさせます。
右のお尻を右かかとに近づけるようなイメージです。
そして、ゆっくり中央へ戻ります。
⑤ 左右交互に10回程度繰り返します
「左→中央→右→中央」と、ゆっくり繰り返しましょう。
ポイントは「深く」より「滑らかに」
このストレッチで大切なのは、できるだけ深くしゃがむことではありません。
「今日はここまで」というところで止めて大丈夫です。
左右で動きに差があっても、無理に同じ深さに合わせる必要はありません。
反動をつけたり、勢いよくお尻を落としたりせず、
ゆっくり、呼吸をしながら、股関節を動かす。
これを意識してください。
四つ這いに戻るときは、背骨も軽く丸めながら、腰と股関節を一緒にゆるめるように動くと、より滑らかに行いやすくなります。

